2020/05/18  デュッセルドルフ、ドイツ

新型コロナウイルスのパンデミックの中で、社員の健康と安全に注力

ヘンケル、非常に厳しい市場環境にもかかわらず
第1四半期は堅調な売上高を達成

  • 新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、グループの名目売上高と既存事業売上高は それぞれ0.8%減と0.9%減
  • 産業界の事業環境の急激な悪化を背景に、アドヒーシブ テクノロジーズ(接着技術)事業部門の 名目売上高は4.3%減、既存事業売上高は4.1%減
  • ビューティーケア事業部門はヘアサロン向け事業が大幅に減収し、名目売上高は2.6%減、既存事業売上高は3.9%減
  • ランドリー&ホームケア事業部門は名目売上高5.3%増、既存事業売上高5.5%増と大幅に成長
  • 新興成長市場の売上高は2.2%増、成熟市場は2.8%減

「2020年度第1四半期は、新型コロナウイルスのパンデミックが業績に影響しました。グループの名目売上高は0.8%減の49億ユーロでした。パンデミックの影響にもかかわらず、既存事業売上高は前年同期比0.9%減と小幅な減少に留まりました。

ヘンケル最高経営責任者のカーステン・クノーベルは、「我々は現在、非常に困難な状況に直面しています。新型コロナウイルスのパンデミックは生活のあらゆる領域に影響を及ぼし、世界経済にも大きな打撃を与えています。しかし当社はこの第1四半期に、全体的に堅調な売上高を実現することができました。この危機下において、我々にとって最も重要なのは、社員、お客様、ビジネスパートナーの健康と安全です。我々は早い段階から幅広い安全対策を導入すると共に、この困難な状況でも事業活動を維持し、お客様にサービスを提供し続けるための、あらゆる手段を講じてきました。また、製品の寄付や金銭的支援を行う世界連帯プログラムを立ち上げました。また、この第1四半期に、新たな戦略的枠組みの実施を開始しました」と述べています。

第1四半期のヘンケルは、厳しい市場環境の中で、堅調な売上高を達成しました。接着技術事業部門は、主として自動車業界からの需要の大幅な落ち込みの影響を受けました。ビューティーケア事業部門の売上高も前年同期を下回りました。ヘアサロン向け事業は、多くの国のヘアサロンが休業を強いられたことに大きな影響を受けました。一方で、一般消費者向け事業の既存事業売上高は前年同期比横ばいとなりました。ランドリー&ホームケア事業部門は、洗濯用洗剤や家庭用洗浄剤の好調な需要を背景に、既存事業売上高を大きく伸ばしました。

カーステン・クノーベルはさらに、「我々はこの危機的状況の変化に応じて、マーケットの変化に迅速かつ柔軟に対応していく方針です。献身的なグローバルチームと、目的ある成長に焦点を当てた新しい戦略的枠組み、そして健全な財務基盤をもって、この難局にうまく対応し、危機を乗り越え、これまで以上に力強く躍進できると確信しています」と述べています。

グループ売上高

2020年第1四半期のグループ全体の名目売上高は、前年同期の4,969百万ユーロから0.8%減少し、4,927百万ユーロとなりました。既存事業売上高(為替変動と買収・売却の影響の調整後)は0.9%減でした。グループ売上高の減少は、主として価格の下落によるものであり、価格と販売量の動向は事業部によって異なりました。買収・売却による売上高への影響はプラス0.4%、為替変動による売上高への影響はマイナス0.4%でした。

新興成長市場の既存事業売上高は2.2%増、成熟市場の売上高は2.8%減となりました。西欧の既存事業売上高は前年同期比4.6%減に対し、東欧の売上高は10.8%増、またアフリカ・中東地域の2020年第1四半期の既存事業売上高は6.8%増を達成しました。

北米地域の既存事業売上高は1.4%減少し、中南米地域でも2.0%減少しました。アジア太平洋地域の既存事業売上高も前年同期を5.7%下回りました。

接着技術事業部門の売上高

2020年第1四半期の接着技術事業部門の名目売上高は、前年同期の2,309百万ユーロから4.3%減少し、2,209百万ユーロとなりました。既存事業売上高(為替変動と買収・売却の影響の調整後)は、販売量の減少を理由に4.1%減となりました。第1四半期には、新型コロナウイルスのパンデミックを受けて鉱工業生産が大幅に縮小しました。為替変動による売上高への影響はマイナス0.3%、買収・売却による売上高への影響はありませんでした。

新型コロナウイルスのパンデミックによる既存事業売上高への影響は、個々の事業領域によって異なりました。オートモーティブ&メタル事業本部の売上高は、主として自動車業界の生産休止により、前年の水準を大きく下回りました。同様にエレクトロニクス&インダストリアル事業本部でも、航空および一般産業セクターの生産休止を受けて、売上高は大幅減となりました。クラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部の売上高は全体的に減少したものの、建設セクターの売上増によって一部相殺されました。パッケージング&コンシューマーグッズ事業本部の既存事業売上高は前年同期比横ばいとなりました。

新興成長市場の既存事業売上高は、全体的に前年同期を下回りました。中南米、アフリカ・中東およびアジア(日本を除く)新興成長市場の売上高は、前年同期比で減少しました。とりわけ中国およびインドは、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響を受けました。一方で、東欧の売上高は大幅に増加しました。主として、パッケージング&コンシューマーグッズ事業本部およびクラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部のロシア事業が、売上増に寄与しました。

同様に、成熟市場の既存事業売上高も減少しました。アジア太平洋の成熟市場では売上高が増加したものの、北米および西欧の売上高は前年同期の水準を下回りました。これは、主としてオートモーティブ&メタル事業本部とエレクトロニクス&インダストリアル事業本部の売上高が減少したことによるものです。北米の売上減は、パッケージング&コンシューマーグッズ事業本部の売上高の大幅な伸びと、クラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部の売上高の非常に大幅な伸びによって一部相殺されました。

ビューティーケア事業部門の売上高

2020年第1四半期のビューティーケア事業部門の売上高は935百万ユーロで、名目売上高は前年同期を2.6%下回りました(前年同期:960百万ユーロ)。既存事業売上高(為替変動と買収・売却の影響の調整後)は3.9%減でした。これは、主として販売量の減少によるものです。為替変動による売上高への影響はマイナス0.9%、買収・売却による売上高への影響はプラス2.3%でした。

般消費者向け事業の売上高は前年同期比で横ばいとなり、中でもダイアル(Dial)ブランドをはじめとするボディケアカテゴリーが好調でした。ヘアコスメティックスカテゴリーの売上高は、全体としては小幅に減少したものの、ヘアカラー事業の既存事業売上高は高い伸びを示しました。一方で、ヘアケアおよびヘアスタイリングは前年同期を下回りました。

ヘアサロン向け事業は、新型コロナウイルスのパンデミックに大きな影響を受けました。第1四半期には各国でヘアサロンが政府から休業を命じられたため、売上高は2桁減となりました。

新型コロナウイルスのパンデミック拡大による影響は、地域にも反映されています。新興成長市場の業績が小幅な悪化に留まったのに対し、アジア(日本を除く)、中南米およびアフリカ・中東は軒並み前年同期を下回りました。対照的に、東欧ではブランド・コンシューマーグッズ事業部が好調に推移したため、既存事業売上高は大幅な伸びを示しました。

成熟市場の売上高は全体的に減少し、西欧および北米の売上高は前年同期を下回りました。一般消費者向け事業の北米事業は、ボディケアカテゴリーが大きく成長したものの、同地域のヘアサロン向け事業の売上減を完全には相殺しませんでした。アジア太平洋の成熟市場の売上高は、前年同期をわずかに下回りました。

ランドリー&ホームケア事業部門の売上高

2020年第1四半期のランドリー&ホームケア事業部門の名目売上高は、前年同期の1,667百万ユーロから5.3%増加し、1,755百万ユーロとなりました。既存事業売上高は、販売量の増加に伴い、5.5%もの大幅な伸びを達成しました。為替変動による売上高への影響はマイナス0.2%、買収・売却による売上高への影響は全体としてはニュートラルでした。

ランドリー&ホームケア事業の既存事業売上高は、堅調な伸びを示しました。これは、主とし、中核ブランドであるパーシル(Persil)においてイノベーションへの取り組みなどが奏功し、売上高が2桁増となったことが挙げられます。当社最大の北米ブランドであるオール(all)も非常に好調でした。ホームケア事業の既存事業売上高は、プリル(Pril)、ブレフ(Bref)、およびソーマット(Somat)ブランドファミリーの2桁成長に牽引される形で、2桁増を達成しました。

新興成長市場の既存事業売上高は2桁の伸びを達成し、ランドリー&ホームケア事業部門全体の既存事業売上高の大幅増を牽引しました。アフリカ・中東、アジア(日本を除く)および東欧の売上高が2桁増となり、中南米の売上高も好調に推移しました。

成熟市場の既存事業売上高も増加しました。西欧の売上高は小幅に減少したものの、北米地域では売上増を達成しました。中でも、ヘンケルにとって重要な市場である米国の売上高が大幅に伸び、アジア太平洋地域の成熟市場でも2桁の伸びを示しました。

当グループの純資産および財務状況

当四半期において、当グループの純資産および財務状況に2019年末からの大きな変動はありませんでした。

今後の見通し

2020年4月7日、ヘンケルの経営委員会は、2019年アニュアルレポートに記載した2020年度の業績予想を撤回することを決定しました。急速に拡大する新型コロナウイルスのパンデミックは世界経済に影響を及ぼしており、現段階では、ヘンケルの今後の業績について、信頼性の高い、現実的な評価を行う下すことは困難です。

ヘンケルは、2020年の今後の業績を十分な信頼性をもって評価することが可能になり次第、業績予想を公表する予定です。


2020年5月11日にドイツ・ヘンケル本社が発表した業績レポートの日本語訳版です。本業績レポートは英語が原本であり、その内容・解釈については英文原本が優先します。


本資料には、今後ヘンケルに影響を及ぼしうる将来の事業動向、財務成績、その他の出来事または動向に関する記述が含まれており、これらは将来予測に関する記述に該当する可能性があります。将来予測は、英文中 ”expect“ “intend ” “ plan ” “ predict” “assume” “believe” “estimate” “anticipate” “forecast”等の語や同様の表現を用いて特徴づけられています。本プレスリリースにおける将来予測は、弊社経営陣の知見と現在の予測に基づくものです。こうしたステートメントは、将来予測の実現を確約するものでは決してありません。将来のヘンケル社および関連企業の業績は、多くのリスクならびに不確実な要因によって、本稿の将来予測とは異なる場合があります。こうした要因の多くは、経済状況や競合の活動、その他市場要因など、弊社のコントロールを超えるものや前もって正確に予測することができないものです。ヘンケルは、これら将来予測をアップデートする意向はなく、またそれに関するいかなる義務を負うものでもありませんので、ご了承ください。

本資料には、適用可能な財務報告枠組みの中で明確に定義されていない代替的業績指標であるか、またはそのような可能性のある補足的な財務指標が含まれています。ヘンケルの純資産、財務状況または経営成績を評価する際は、これらの補足的な財務指標を単独で解釈すべきではなく、また連結決算報告書に適用される財務報告枠組みに従って表示されたヘンケルの純資産、財務状況または経営成績の代替的な指標と見なすべきではありません。類似の名称の代替的業績指標を報告または記載している他の企業は、かかる指標を、ヘンケルとは異なる方法で計算している可能性があります。

本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言を提供するものではなく、有価証券の売却の申し出または購入の勧誘を構成するものではありません。