2022/03/03  デュッセルドルフ、ドイツ

ヘンケル、2021年サステナビリティレポートと新しい2030年以降の意欲的なサステナビリティフレームワークを発表

2021年に力強いサステナビリティパフォーマンスを達成し、2030年以降の意欲的な目標を新たに設定

  • 2021年も主要項目すべてにおいて、好調なパフォーマンスと改善を達成
  • さらに進化したサステナビリティ戦略:2030年以降の意欲的なサステナビリティフレームワーク
  • クライメートポジティブな生産の達成を2040年から2030年に前倒しするなど、意欲的な目標を新たに導入

2022年2月23日ヘンケルは、2021年の成果と進捗状況を詳細に報告するサステナビリティレポート第31号を公開しました。本レポートでは、新しい2030年以降の意欲的なサステナビリティフレームワークも概説しています。

ヘンケル最高経営責任者のカーステン・クノーベルは、「サステナビリティは、ヘンケルのDNAに深く根付いており、当社の企業文化に不可欠なものです。革新やデジタル化などの戦略的優先事項とともに、サステナビリティはヘンケルの意義ある成長アジェンダの中核です。サステナビリティは当社のバリューの1つでもあり、私たちの企業の目的である「Pioneers at heart for the good of generations」にも反映されています。さらに、より意欲的なサステナビリティ戦略を設定して、変革を加速し、サステナビリティに向けてポートフォリオとプロセスをさらに力強く進化させていきます」と述べています。

またヘンケルの経営委員会メンバーで人事とサステナビリティを担当するシルヴィー・ニコルは、「昨年中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックとの闘いが続き、企業としても、個人や地域コミュニティとしても、レジリエンス(回復力)が試されました。そのため、環境、社会、政治の各面の課題に対処する当社の取り組みは、従来以上に明確になっています。2021年に、厳しい環境にもかかわらず、ヘンケルが気候保護や循環型経済などの重要な分野でサステナビリティをさらに推進したことを誇らしく思っています」と述べています。

厳しい年にも好調な実績を達成

2021年に、ヘンケルは事業にサステナビリティ戦略をさらにしっかりと組み込み、(特にグリーン電力への転換により)生産活動に起因するCO2排出量を削減し、原材料の持続可能な調達、ならびに持続可能な資金調達などの面でさらに進展を遂げました。

ヘンケルは、2025年までに生産活動に起因するカーボンフットプリントの65%削減を目指しています(2010年の基準年比)。2021年末の時点で、ヘンケルはすでに生産活動に起因するCO2フットプリントを半減しています。この目標の達成に向けて、当社はエネルギー効率の改善にも重点的に取り組んでおり、2030年までに再生可能なエネルギー源からの100%電力供給を目指しています。2021年末までに、ヘンケルはコロンビアとフランスを含む21カ国の生産電力を、100%再生可能なエネルギーに完全に移行しました。現時点で、ヘンケルはすでに再生可能電力使用率68%を達成しています。

さらに、ヘンケルは真の循環型経済の構築に積極的に取り組んでおり、バリューチェーン全体でさまざまなパートナーと連携して、プラスチックバンクやエレン・マッカーサー財団によるNew Plastics Economyなどの国際的な取り組みに協力しています。当社の意欲的なパッケージング戦略では、パッケージを削減、リサイクルして、包装資材の環境投棄を防ぐことを目指しています。2025年までの主な目標の1つが、ヘンケル製品のパッケージの100%をリサイクル可能または再利用可能にすることです。2021年末の時点で、その割合はすでに約86%に達しています。さらに、着実な取り組みを通じて、2025年までに世界全体で一般消費向け製品の、プラスチック包装すべてのリサイクル素材使用比率を30%超まで増やすことを目指しています。2021年末の時点で、この割合は約18%に達しました。

このほかヘンケルは、すべてのパーム油とパーム核油の責任ある調達に向けて、順調な進捗を達成しました。2021年には、RSPO(「持続可能なパーム油に関する円卓会議」)のマスバランスモデルに従った認定原材料として全所要量と派生物の93%を調達しました。この成果は、南米、アフリカ、アジアの小規模なパーム油農家を支援する国際開発団体のSolidaridadとの長年の協力体制に負うところが大きいと考えています。これまでに、当社パートナーは世界各地の36,000もの小規模自営農家にプラスの影響を与えてきました。

もう1つの重要なマイルストーンは、ヘンケルの新しい持続可能な財務フレームワークの発表です。これは、サステナビリティ戦略とその資金調達戦略を直接関連付けるものです。

このフレームワークには、サステナビリティ連動債とグリーンボンド(環境債)の2つの形態の資金調達が含まれています。2021年に、ヘンケルはこのフレームワークの下、2つの債権を初めて発行し、金利が特定のサステナビリティ目標達成に連動するユーロ建て債を発行した、このセクター初の企業となりました。発行総額は7億ユーロを超えています。

2030年以降の意欲的なサステナビリティフレームワークを通じた目標の推進

以上の成果は、2010年の長期戦略に設定されたヘンケルの目標に沿ったものです。ヘンケルは、10年にわたって成功裡にサステナビリティを推進した後、2021年に現在進行中の外部の進展と当社戦略と目標に対する今後の期待を振り返りました。

この見直し結果をもとに、2030年以降の意欲的なサステナビリティフレームワークが新たに作成されました。このフレームワークには、サステナビリティを目指して経済と社会の変革を支援する新たな追加長期目標も含まれています。

ヘンケルの2030年以降の意欲的なサステナビリティフレームワークは、以下の3つの要素で構成されています。

  • 地球環境の再生: 科学とイノベーションで実証された方法でビジネス、製品、原材料を変革して、ネットゼロの循環型炭素社会を実現します
  • 地域コミュニティの繁栄: 平等、教育、ウェルビーイングを支援して、ビジネスとブランドの強みを結集し、人々がより良い生活を送ることができるようにします
  • 信頼されるパートナー: バリューに基づく文化を通じて、パフォーマンスとシステムの変化を誠実に推進し、科学とテクノロジーに対する情熱を深く根付かせます

ヘンケル最高サステナビリティ責任者のウルリケ・サピロは、「私たちは、フレームワークの目標を、環境、社会、ガバナンス(ESG)のトピックに対処するというステークホルダーの期待と整合して、これらの分野へのエンゲージメントをさらに深めていきたいと考えています。ヘンケルがさらに前進を遂げ、より迅速かつ大胆に行動できる領域を検討したところ、クライメートポジティブな生産の達成を2040年から2030年に前倒しすることが重要な成果の1つに特定されました」と説明しています。

新たに設定された意欲的な主要目標には以下があります。

  • 2030年までにクライメートポジティブな生産を達成することを目指して、Science Based Targetsイニシアチブに沿って、(原材料調達から売場までの)スコープ3排出量におけるネットゼロに向けた行程を設定する
  • 2030年までに水および生産廃棄資材の循環利用を増やし、循環性を強化する 
  • 2025年までに全管理レベルで男女平等を実現する
  • 地域コミュニティの教育プログラムとボランティア活動を拡張する
  • 2021年に開始された「スマートワーク」プログラムの発展と拡張を通じて、会社と従業員のための未来型の働き方を作り上げる

さらにウルリケ・サピロは、「当社を取り巻く世界、ステークホルダーの期待、サステナビリティの促進機会が常に変化していることを理解しています。そのため、新たに設定される具体的目標を考慮しながら、当社は2030年以降の意欲的なサステナビリティフレームワークを定期的に見直し、更新していく予定です」と述べています。


※2022 年 2 月23 日にドイツ・ヘンケル本社が発表したプレスリリースの日本語訳版です。本業績レポートは英語が原本であり、その内容・解釈については英文原本が優先します。