- グループ売上高:約5,200百万ユーロ、既存事業売上高は1.0%減
- アドヒーシブ テクノロジーズ(接着技術)事業部門:厳しい事業環境にもかかわらず販売量が増加、既存事業売上高は1.1%増
- コンシューマーブランド事業部門:既存事業売上高は3.5%減、消費者需要の低迷とサプライチェーンの課題が販売量に影響
- 北米のリテーラーブランド事業の売却が終了―コンシューマーブランド事業部門の戦略的ポートフォリオ最適化プログラムが完了
- 市場環境のボラティリティ上昇にもかかわらず、2025年度の見通しは変わらず
- 既存事業売上高成長率:1.5~3.5%
- 調整後の売上高営業利益率(EBITマージン):14.0~15.5%
- 調整後の優先株(一株)あたり利益(EPS):1桁台前半~後半のパーセンテージで増加(為替変動の影響を除外)
ヘンケルは、2025年第1四半期にグループ売上高約5,200百万ユーロを達成しました。前年同期は約5,300百万ユーロで、既存事業売上高は1.0%の減少となりました。この売上高減少は主に、年初から大幅に厳しさを増している地政学・マクロ経済環境によるものです。これが、特に北米において、工業用需要と消費者マインドの両方に影響を及ぼしました。それでも、接着技術事業部門の既存事業売上高は、価格と販売量の良好なバランスに支えられて増加しました。コンシューマーブランド事業部門の売上高は、予想通り強力な競合製品とサプライチェーンの課題により、前年の水準を下回りました。
ヘンケル最高経営責任者のカーステン・クノーベルは、「3月に2024年度の年間業績を発表した際にも述べた通り、新年度の売上高はかなり控えめなスタートを切りました。一方、当社は引き続き堅調な粗利益とEBITマージンを達成しており、「意義ある成長」アジェンダの実行に一貫して取り組んでいます。北米のリテーラーブランド事業の売却が予想よりも早く終了したことにより、2022年の初めに発表したコンシューマーブランド事業部門のポートフォリオ最適化プログラムが無事完了しました。その結果、当社は、消費者にとって関連性の高い付加価値を生み出す技術を用いたイノベーションを通じてブランドコンシューマー向け事業を成長させることに全力を傾けることができるようになりました」と述べています。
クノーベルはさらに、「グローバルマーケットのボラティリティと不確実性は年初から著しく高まっていますが、今年度の目標に変更はなく、当社は引き続き、2025年の既存事業売上高のさらなる増加と利益の漸進的改善を予想しています。当社は引き続き下半期の業績の向上を予想していますが、その要因の1つとなるのが、自社ブランドへの継続的投資をもとに当社が市場に導入するイノベーションです。それと同時に、粗利益とEBITマージンも堅調に推移する見込みです。今年度の最初の3カ月間の実績は、当社がこの点において正しい軌道に乗っていることを示しています。これは、当社が明確な戦略を持ち、それを一貫して遂行していること、また、当社が約束を果たしていることを証明しています」と述べています。
第1四半期の接着技術事業部門の既存事業売上高の好調な実績は、主にモビリティ&エレクトロニクス事業本部の力強い成長によって牽引されました。コンシューマーブランド事業部門の既存事業売上高の減少は、特に消費者マインドの冷え込み、お客様の在庫調整、サプライチェーンの課題によるものです。
グループ売上実績
グループ全体では、2025年第1四半期の名目売上高は5,242百万ユーロで、2024年第1四半期の5,317百万ユーロから1.4%減少しました。既存事業売上高成長率(為替変動と買収・売却の影響の調整後)は1.0%減となりました。この減少は想定されていたものであり、特に北米で工業用需要と消費者マインドの両方に影響を及ぼしている現在の厳しい地政学・マクロ経済環境を反映したものです。グループ全体の既存事業売上高は価格上昇により支えられましたが、販売量は前年の水準を下回りました。買収と売却による売上高への影響はプラス1.1%でした。一方、為替変動による売上高への影響はマイナス1.4%でした。
欧州地域の第1四半期の既存事業売上高成長率は2.0%減でした。IMEA(インド・中東・アフリカ)地域の既存事業売上高は4.6%増加し、北米地域は5.6%減少しました。中南米地域では既存事業売上高が1.5%増加し、アジア太平洋地域では3.6%増を達成しました。
接着技術事業部門の売上実績
接着技術事業部門では、2025年第1四半期の名目売上高は2,715百万ユーロで、前年同期の2,677百万ユーロから1.4%増加しました。既存事業売上高成長率(為替変動と買収・売却による影響の調整後)は、2024年第1四半期比で1.1%増となりました。価格と販売量がともにプラスとなりました。為替変動により、売上高にマイナス1.0%の影響がありました。買収・売却は、プラス1.3%の影響を及ぼしました。
接着技術事業部門では、第1四半期に既存事業売上高が増加しましたが、その主な牽引役となったのは、3.1%増と堅調な伸びを達成したモビリティ&エレクトロニクス事業本部です。この伸びを牽引したのはエレクトロニクス事業とインダストリアル事業で、オートモーティブ事業は厳しい市場環境により売上高が減少しました。パッケージング&コンシューマーグッズ事業本部の既存事業売上高は、0.4%減とわずかに減少しました。パッケージング事業は、さらなる需要回復に支えられて安定した推移を見せました。コンシューマーグッズ事業は、前年同期比でわずかに減少しました。クラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部の既存事業売上高は、前年同期比で0.4%増加しました。その主な牽引役となったのは一般用接着剤事業部とコンストラクション事業部で、どちらも大幅な成長を達成しました。
地域別に見ると、接着技術事業部門の実績には全体としてばらつきが見られました。欧州地域では、クラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部を主な要因として、既存事業売上高が前年同期を下回りました。北米地域では、全体的に厳しい市場環境のなか、モビリティ&エレクトロニクス事業本部とパッケージング&コンシューマーグッズ事業本部の低迷を主な要因として、第1四半期の売上高が減少しました。IMEA地域では、特にクラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部の2桁増に牽引されて、既存事業売上高が非常に力強い成長を遂げました。中南米地域も同様に、モビリティ&エレクトロニクス事業本部の2桁増が主な牽引役となり、非常に力強い成長を達成しました。パッケージング&コンシューマーグッズ事業本部とクラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部も、ともに非常に力強い成長を達成し、業績に貢献しました。アジア太平洋地域は、特に中国のエレクトロニクス事業の2桁増により、大幅な成長を達成しました。
コンシューマーブランド事業部門の売上実績
コンシューマーブランド事業部門では、2025年第1四半期の名目売上高が、前年同期比4.6%減の2,484百万ユーロとなりました。既存事業売上高成長率(為替変動と買収・売却による影響の調整後)は、3.5%減となりました。同事業部門の価格は2024年第1四半期と比べて好調に推移しましたが、販売量は、(特に北米の)消費者マインドの冷え込みと小売部門のお客様の在庫調整にサプライチェーンの課題が拍車をかけたこともあいまって、予想通り減少しました。為替変動により、売上高にマイナス2.0%の影響があった一方、買収・売却は、売上高にプラス0.8%の影響を及ぼしました。
ランドリー&ホームケア事業本部では、第1四半期の既存事業売上高成長率は4.1%減となりました。ランドリーケア事業は、ファブリックケアのカテゴリーが非常に大きな伸びを示しましたが、ファブリッククリーニングのカテゴリーの減少が主な要因となって、マイナス成長となりました。一方、ホームケア事業は、主に食器用洗剤カテゴリーの大幅な売上増に牽引されて、既存事業売上高が大きく増加しました。
ヘアケア事業本部では、既存事業売上高が1.6%減少しました。コンシューマー向け事業は、特にヘアカラーカテゴリーとヘアスタイリングカテゴリーに牽引されて、売上高が増加しました。全体として、プロフェッショナル向け事業の実績は前年の水準を下回りましたが、これは主に、北米地域の厳しい消費者環境に起因する売上高の減少によるものです。
その他コンシューマー向け事業本部は、北米と欧州のボディケア事業のマイナス成長を主な要因として、既存事業売上高が6.8%減少しました。
地域別に見ると、IMEA地域を除くすべての地域で、既存事業売上高は前年の水準を下回りました。IMEA地域では、ヘアケア事業本部の著しい成長とランドリー&ホームケア事業本部の好調な業績に牽引されて、全体として既存事業売上高が大幅に増加しました。一方、欧州地域では、ヘアケア事業本部は大幅な成長を遂げましたが、ランドリー&ホームケア事業本部の低迷を受けて売上高が減少しました。北米地域とアジア太平洋地域では、すべての事業本部で既存事業売上高成長率が前年の水準を下回りました。中南米地域では、ランドリー&ホームケア事業本部の低迷により、全体の業績が前年の水準を下回りました。一方、ヘアケア事業本部は、既存事業売上高が非常に堅調な伸びを示しました。
当グループの純資産および財務状況
当グループの純資産および財務状況に2024年12月31日の状況から大きな変動はありませんでした。
今後の見通し
ヘンケルは今年度について、引き続き1.5~3.5%の既存事業売上高成長率を見込んでいます。接着技術事業部門の既存事業売上高は2.0~4.0%、コンシューマーブランド事業部門の既存事業売上高は1.0~3.0%の範囲で成長すると見込んでいます。
調整後売上高営業利益率(EBITマージン)は、引き続き14.0~15.5%の範囲で増加すると予想されています。接着技術事業部門では、調整後売上高営業利益率が16.0~17.5%、コンシューマーブランド事業部門では同利益率が13.5~15.0%の範囲で増加すると予想されています。
調整後の優先株(一株)あたり利益(EPS)は、為替変動の影響を除外して、引き続き1桁台前半~後半のパーセンテージで増加すると予測されています。
さらにヘンケルは、2025年について、以下の見通しを維持しています。
- 買収・売却:名目売上高成長率へのマイナス1桁台前半の影響
- 為替の影響:中立、または、マイナス1桁台前半の影響
- 直接原材料価格:前年平均から1桁台前半~半ばのパーセンテージで上昇
- リストラ費用は200~250百万ユーロ
- 有形固定資産および無形資産への投資によるキャッシュアウトフローは650~750百万ユーロ
※2025年5月8日にドイツ・ヘンケル本社が発表したプレスリリースの日本語訳版です。本業績レポートは英語が原本であり、その内容・解釈については英文原本が優先します。
本情報には、Henkel AG & Co. KGaA.の経営陣による現在の予測および仮定に基づく将来の見通しが含まれています。将来予測に関する記述とは、英文中expect, intend, plan, anticipate, believe, estimateなどの語句や同様の表現の使用を指しています。この情報に含まれる将来予測は、弊社経営陣による現時点での予測と予想に基づくものです。これらの記述は、その予測が結果的に正しくなることを保証するものではありません。Henkel AG & Co. KGaA.とその関連会社が実際に達成する将来の業績と結果は、多くのリスクと不確実性に左右されるため、将来予測に関する記述とは大きく異なる可能性があります。こうした要因の多くは、経済状況や競合の活動、その他市場要因など、弊社のコントロールを超えるものや事前に正確に予測することができないものです。ヘンケルは、これら将来予測をアップデートする意向はなく、またそれに関するいかなる義務を負うものでもありませんので、ご了承ください。
本資料には、適用される財務報告枠組みの中で明確に定義されておらず、代替的業績指標(非GAAP指標)であるかまたはその可能性のある補足的な財務指標が含まれています。これらの補足的な財務指標は、単独で解釈すべきではなく、また連結決算報告書に適用される財務報告枠組みに従って表示されたヘンケルの純資産、財務状況または経営成績の代替的な指標と見なすべきではありません。類似の名称の代替的業績指標を報告または記載している他の企業は、かかる指標を、ヘンケルとは異なる方法で計算している可能性があります。
本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言を提供するものではなく、有価証券の売却の申し出または購入の勧誘を構成するものではありません。