2度の気温上昇は大きな問題ではなさそうに見えるかもしれませんが、地球の未来には大きな違いをもたらします。地球温暖化を2050年までに摂氏2度未満に抑え、気候変動に関する国際連合のパリ協定のコミットメントを達成するためには、二酸化炭素の排出を2050年までに80%から90%程度削減する必要があります。この意欲的な目標を達成するには、各国政府や企業が、イノベーションを推進してこの課題に取り組まなければなりません。
言うまでもなく、二酸化炭素の排出は現代のライフスタイルがもたらしたものです。つまり、私たちの生活の変革によって環境に良い変化をもたらす可能性が秘められています。 これには、エネルギー効率 を高め、エネルギー関連の排出を削減することが求められるでしょう。生活自体を脱炭素化し、これまでのエネルギー源を再生可能エネルギーに置き換えることで達成できるかもしれません。もしくは、二酸化炭素をエネルギーに転換する革新的なテクノロジーを探求して、二酸化炭素を資源に変え、温室効果ガス汚染の悪循環を断つことで可能になるかもしれません。
ヘンケルは、気候変動に関する国際連合のパリ協定のコミットメントを全面的に支持しています。このために私たちは、 2040年までにクライメート・ポジティブの実現 および気候保護への積極的かつ徹底的な取り組みについての長期的ビジョンを追求していきます。私たちはまず私たちの生産拠点に焦点を合わせ、そのカーボンフットプリントを2030年までに75%削減することを目指しています。私たちは、エネルギー効率を向上し続けると同時に、使用する電力の100%を再生可能な資源から得たいと考えています。
2030年以降、私たちは、生産において使用されている残りの化石燃料を気候ニュートラルな代替燃料(バイオガス、二酸化炭素を転換して得られるガス等)に置き換えたいと考えています。またヘンケルが必要としない余剰の無炭素エネルギーを第三者に供給することを目指しています。これにより、私たちの活動による排出が回避されるだけでなく、クリーンエネルギーを使用することで、第三者による潜在的な排出削減が可能になります。クリーンエネルギーを外部に供給することで、私たちの事業活動がクライメート・ポジティブを実現することになるのです。
パリ協定の気候変動に関するコミットメントを達成するため、2030年までにヘンケルは事業拠点におけるカーボンフットプリントを75%削減します。パリ協定は、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2°C未満に抑えるとともに、この値をさらに1.5°Cに抑えるための追加努力をするという目標を掲げています。ヘンケルはこの目標の達成に全力で取り組んでいます。ヘンケルは、2019年2月よりScience Based Target Initiative(SBTi、科学と整合した目標設定)に参加しています。
これと並行して、クライメート・ポジティブの実現というコミットメントをパートナーやサプライヤーと共有しています。パートナーやサプライヤーが私たちと同じくらい意欲的なエネルギー効率目標を設定し、バリューチェーン全体にわたる二酸化炭素の削減に貢献することを期待しています。
ヘンケルは、革新的な製品やテクノロジーを継続的に開発するなかで、お客様や消費者の皆様がカーボンフットプリントを削減できるようにする機会も追求しています。これは非常に重要なことです。なぜなら私たちの製品は、毎日さまざまな家庭や工業的工程で何百万回も使用されており、ライフサイクル分析によると、製品に関連するカーボンフットプリントの大部分は使用時に生じているからです。このため私たちは、お客様や消費者の皆様が私たちの製品を使用する際に排出される二酸化炭素を、2020年までに5,000万トン削減するよう支援するという目標を課しています。